海外赴任や移住の準備を進めるなかで、「固定IP(専用IP)」という言葉を目にする方が増えています。ここでは、固定IPとは何か、どんな場面で必要になりやすいのか、そして選ぶ際の確認点を、一般論として整理します。ご利用にあたっては、各サービスの規約の範囲内で使うことが前提となります。
固定IP(専用IP)とは
固定IP(専用IP)とは、インターネットに接続する際に、毎回同じIPアドレスが割り当てられる仕組みを指すことが多い用語です。通常のインターネット接続やVPNでは、接続のたびに異なるIPアドレスが割り当てられる「動的IP」や、多数の利用者で同じIPアドレスを共有する「共有IP」が一般的です。これに対して固定IPは、特定の利用者に紐づいた変わらないアドレスを使えるという特徴があります。
どんな時に必要になりやすいか
固定IPが役立つとされる代表的な場面は、次のようなものです。
- 会社のシステムへのアクセス許可リスト:勤務先が、あらかじめ登録したIPアドレスからのアクセスだけを許可している場合、変わらないアドレスが求められることがあります。
- 特定サービスの本人確認:普段と違う地域からのアクセスを検知して追加確認を求めるサービスでは、安定したアドレスが確認の手間を減らす場合があります。
- リモートワークの要件:在宅・海外勤務の環境で、会社側が接続元を限定するポリシーを設けているケースがあります。
いずれも会社や利用サービスの方針によって異なりますので、必要かどうかは事前に勤務先の情報システム担当などへ確認することをおすすめします。
共有IPとの違い
共有IPは、コストを抑えやすく多くの用途で十分とされる一方、同じアドレスを多数の人が使うため、上記のような「特定のアドレスから接続してほしい」という要件には向きにくい場合があります。固定IPは自分専用のアドレスを使える分、こうした要件に対応しやすいと考えられますが、料金は相対的に高くなる傾向があります。用途に応じて選ぶとよいでしょう。
VPNの固定IPオプションと固定IP専用サービスの違い
固定IPを利用する方法は、大きく二つに分けて考えられます。ひとつは、一般的なVPNサービスが追加オプションとして提供する固定IP機能を使う方法です。海外から日本のサービスへ接続する用途とあわせて検討する場合は、VPNの比較や海外から日本へ接続する際の考え方もあわせてご確認ください。
もうひとつは、固定IPの提供そのものを主目的とした専用サービスを使う方法です。専用サービスは、業務用途など特定の要件に絞って設計されていることがあります。
どちらが適しているかは、求められる安定性や対応地域、料金によって変わってきます。選ぶ時の確認点
固定IPを検討する際は、次の点を確認しておくと判断しやすくなります。
- 料金:初期費用と月額、オプション扱いか専用契約かによって費用感が異なります。
- 対応地域:どの国・地域のIPアドレスを提供しているか。会社の要件や利用サービスに合う地域があるかを確認します。
- 帯域・安定性:業務利用では、通信速度や接続の安定性も重要な判断材料になります。
固定IPが本当に必要かどうかは人によって異なります。まずは利用目的を整理し、規約の範囲内で無理のない選択をすることが大切だといえるでしょう。